戯言

 夫婦間の関係は、かつては十分に対等だった筈である。だが資本主義経済はそれを変化させたと言える。以前も書いたと思うが、資本が集中する処に力が生じると述べた。既にアナクロな感覚かもしれないが、まぁ未だよくある一般的な立ち位置としては、旦那は出稼ぎ労働で貨幣を稼ぎ、嫁が内政をする。ここで旦那が貨幣を稼いでくると云う点が、以前は対等だった筈の関係に不均衡を齎した訳だ。資本主義社会において、資本の力に打ち勝つ事は難しい。貨幣を稼がない被扶養者はメイド・小間使いも同然の扱いになった。ってのが一寸以前までのお話。昔は一人で生活する事が困難であった為、寄り添いあって生きていく事にしたのだろうが、今は別に独りで生きていく事は十分可能で、寧ろ余計な足枷が無く、資本リソースを独りで気侭に使えるとあれば、倖福追求を至上命題とする現代人にとっては、婚姻なんてぶっちゃけする必要も価値も全然無い契約じゃねーの?、とか思いました。