戯言

 お話をお話として、フィクションだからそんな事は在り得ないと、大人ぶった嘲りを、多少なりとも含んだ視点からでは、物語の面白さの幾ばくかを明らかに損失させている。いつの間にか、これはフィクションなのだと自分に言い聞かせながら読むようになっていた。そんな余裕の無い読み方では物語が勿体無い、と思った次に、ただ自分が哀れなだけなのだと気が付いてみたりした、そんな雲行きの秋の入口。